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再生医療(PRP療法・APS療法)

再生医療とは

変形性膝関節症でお悩みの方に、新しい治療法としての再生医療(PRP療法・APS療法)をご紹介します。
再生医療(バイオセラピー)とは、自分や他人の細胞や血液由来の成分を使い、病気の治療や傷んだ組織の修復を行う新しい治療法です。手術に比べて、患者様の身体的な負担も大幅に少なくて済むという特徴があります。

1.PRP療法(多血小板血漿療法)

PRP療法(多血小板血漿療法)とは

PRP療法(多血小板血漿療法)は患者様自身の血液から取り出した成分を用いて、患部の治療や再生を促す治療法です。
具体的には、患者様から採取した少量の血液を専用の装置で遠心分離し、その中から血小板を多く含む血漿層「PRP]と呼ばれる部分を取り出します。PRPには成長因子が含まれており、これらが患部に注入されることで、組織の修復や再生を促進する効果が期待できます。
患者様ご自身の血液から作られた血漿成分を使用するため、副作用のリスクが低く、手術に比べて短期間での回復が期待できることが特徴です。

治療の対象となる疾患

●変形性膝関節症
変形性膝関節症は関節軟骨の老化、肥満や素因(遺伝子)、また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などを主因として発症します。例えば、加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使い過ぎによりすり減り、関節が変形していきますが、同時に分子レベルでも組織修復のバランスの破綻が生じ、疼痛やさらなる関節の変形が促進されます。PRPは主にこの分子レベルでの組織修復のバランスを整える働きを示し、疼痛低減や現状以上の変形の進行を食い止めることを目的としています。

PRP治療が受けることができない方

・出血傾向のある疾患のある方
・抗凝固薬を使用されている方
・貧血のある方
・重篤な感染症のある方や、感染を起こしやすい基礎疾患(がん、糖尿病、免疫不全症、膠原病、肝硬変など)をお持ちの方
・その他主治医が不適当と判断した方
PRP三種(関節外注射:靱帯、腱、筋肉など)
 注射1回あたり 33,000円(税込)
PRP二種(関節内注射)
 注射1回あたり 44,000円(税込)

2.APS療法

APS療法とは

ひざ関節症の関節内では、軟骨の破壊成分を作り出す炎症性サイトカイン(IL-1,TNFα)という悪いタンパク質の働きが活発になっていますが、わたしたちの体の中にはこの働きを抑える良いタンパク質(IL-1ra,sIL-1R,sTNF-RⅠ,sTNF-RⅡ)も存在しています。
APSとは、自己タンパク質溶液、Autlogous Protein Solutionの略称で患者さんご自身から炎症を抑える良いタンパク質と軟骨の健康を守る成長因子を高濃度抽出したものです。APSは血液からPRP(多血小板血奬:Platelet-Rich Plasma)を分離し特別な加工を加えることで、ひざ関節症の治療に有効といわれる成分を高濃度に抽出するため、次世代PRPとも言われます。
APS療法はご自身のひざ関節内にAPSを注入し、関節内の炎症バランスを整えることで、炎症・痛みを改善し、軟骨破壊の抑制が期待されます。
ご自身の血液を使用するため安全性も高く、来院当日に治療可能な、体に負担の少ない治療法です。

治療の流れ

ひざ関節の痛みと炎症

 ひざ関節症の関節内では、軟骨の破壊成分を作り出す炎症性サイトカイン(IL-1,TNFα)という悪いタンパク質の働きが活発になっています。悪いタンパク質は軟骨の破壊成分(MMP)の生産を促進します。
 悪いタンパク質は炎症を悪化させ関節の痛みを増加させます。これを放置すると最終的にはひざ関節の機能が失われ、軟骨全体の変性が進みます。

APSのメカニズム

 私たちの体の中には炎症を抑える抗炎症性サイトカイン(IL-1ra,sil-1R,sTNF-RⅠ,sTNF-RⅡ)という良いタンパク質も存在します。良いタンパク質は悪いタンパク質の働きをブロックし、軟骨破壊に傾きがちな関節内のバランス改善に関係します。
 APSは自己タンパク質溶液、Autologous Protein Solutionの略称で、患者さんご自身の血液から炎症を抑える良いタンパク質と軟骨の健康を守る成長因子を高濃度抽出した溶液です。
 APS療法は悪いタンパク質が過剰に存在する関節内に、良いタンパク質が豊富なAPSを直接注射することで炎症や傷みを軽くし、軟骨の変性や破損を抑えようとする治療です。
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